古民家ひらぬま
ブログ
名栗の森と、クマのこと

目次
― 人工林の多い名栗地域の特性 ―
古民家ひらぬまのある名栗は、杉やヒノキの人工林に包まれた、静かな里山です。
まっすぐに伸びる木々の姿は、この地がかつて林業で栄えた歴史を物語っています。

◆ 人工林にはクマが定着しにくい?
ニュースでもクマの話題が聞こえない日はないほどですが、
ツキノワグマはもともと、ドングリやクリ、クルミなどの広葉樹の木の実、季節の山菜、昆虫や小動物など、多様な食べ物を求めて山を移動しながら暮らす生き物です。
一方で、名栗に広がる人工林は、
日差しが地面まで届きにくいことで下草が少ない場所が多く、木の実がほとんど実らない“餌の乏しい森”でもあります。

そのため、人工林はクマにとって長く居続ける価値が少なく、定着のリスクが相対的に低い環境と考えられています。
当店の周辺でも、まったく生息しないとは言えませんが、継続的な滞在や人への「近距離遭遇・物理接触報告」はほぼみられておりません。
◆ 自然とともにある場所として
ひとと自然が寄り添う名栗では、
小さな配慮の積み重ねが、この環境を未来へと繋いでいきます。
私たちも、
厨房や店内の整理整頓、食材や廃棄物の適切な管理を徹底し、地域の自然への負荷を減らす取り組みを続けています。
そして、野生動物に不用意に食べ物を与えたり、残渣を残したりしないことも、大切な共存の姿勢だと考えています。

人の営みと野生のいのちが、互いに距離と尊重を保ちながら、静かに共にある場所でありたいーー
名栗の自然を守り、未来へ繋ぐために、私たちにできる行動を重ねてまいります。
◆ おわりに
人工林に囲まれた名栗の景色は、
静けさの中に、長く続いてきた人の営みと山の歴史が息づいています。

自然を尊びながら過ごすひとときが、
心身を解きほぐす時間になりますように。
※とはいえハイキングなど、山に入られる際は、クマ鈴などのご持参を強く勧奨いたします
